福岡の弁護士による交通事故相談室
HOME > ご相談にあたって > 高次脳機能障害について > 高次脳機能障害の認定

ご相談にあたって

高次脳機能障害の認定

現在の認定システムは、平成23年3月4日付で自賠責保険における高次脳機能障害認定システム検討委員会が報告した「自賠責保険における高次脳機能障害認定システムの充実について」(報告書)に基づき運用が行なわれています。

また、自賠責保険における脳外傷による高次脳機能障害は、脳の器質的損傷(たとえば脳挫傷やびまん性軸索損傷など)によるものを対象にしています。そして、具体的な等級は、事故による脳損傷の程度・部位、意識障害の期間・程度、残存した障害の内容・程度などに基づき認定されます。

CTスキャンイメージ
高次脳機能障害の後遺障害等級(自賠責保険)
高次脳機能障害についての自賠責の認定基準
等級 障害認定基準 補足的な考え方
別表第一 1級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの 身体機能は残存しているが高度の痴呆があるために、生活維持に必要な身の回り動作に全面的介護を要するもの
別表第一 2級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの 著しい判断力の低下や情動の不安定などがあって、1人で外出することができず、日常の生活範囲は自宅内に限定されている。身体動作的には排泄、食事などの活動を行うことができても、生命維持に必要な身辺動作に、家族からの声掛けや看視を欠かすことができないもの
別表第二 3級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの 自宅周辺を1人で外出できるなど、日常の生活範囲は自宅に限定されていない。また声掛けや、介助なしでも日常の動作を行える。しかし記憶や注意力、新しいことを学習する能力、障害の自己認識、円滑な対人関係維持能力などに著しい障害があって、一般就労が全くできないか、困難なもの
別表第二 5級2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの 単純くり返し作業などに限定すれば、一般就労も可能。ただし新しい作業を学習できなかったり、環境が変わると作業を継続できなくなるなどの問題がある。このため一般人に比較して作業能力が著しく制限されており、就労の維持には、職場の理解と援助を欠かすことができないもの
別表第二 7級4号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの 一般就労を維持できるが、作業の手順が悪い、約束を忘れる、ミスが多いなどのことから一般人と同等の作業を行うことができないもの
別表第二 9級10号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの 一般就労を維持できるが、問題解決能力などに障害が残り、作業効率や作業持続力などに問題があるもの
高次脳機能障害に関する当弁護士事務所事例紹介
20代の男性が、異議申立の結果、後遺障害等級が9級から7級に変更された事案

バイク事故で頭部等に受傷し、約1年間の入通院を経た後、高次脳機能障害(9級)認定。

加害者側保険会社から約2800万円(自賠責保険金4000万円を含む。)を提示された後、提示内容に疑問があり当事務所に相談。
面談時のヒアリングにより、後遺障害等級9級が相当でないと判断し、当事務所で異議申立の結果7級の認定。
7級を前提に任意交渉を行った結果、最終的に約6400万円での解決。

50代の男性が、後遺障害等級2級が認定され、損害総額約1億円が認定された事案

自転車走行中に自動車に衝突されて受傷し、治療中にご家族から当事務所に相談。

社会的行動障害が顕著であったため、ご家族から普段の様子等を詳細に聴取し、日常生活状況報告書を作成。
被害者請求の結果、後遺障害等級別表第一2級認定。
任意交渉の結果、損害総額は治療費を除いて約1億円で解決。