裁判で約1億4000万円(治療費除く)の損害額を認定された事案
裁判で約1億4000万円(治療費除く)の損害額を認定された事案
事故時診断:脳挫傷、高次脳機能障害
後遺障害:1級
60代の女性が道路横断中にはねられ、脳挫傷、びまん性軸索損傷、高次脳機能障害と診断されました。当事務所が治療中から受任し、被害者請求をして後遺障害等級1級を獲得した上で訴訟を提起しました。訴訟の結果、逸失利益約2600万円、自宅改造費約1400万円、車両改造費約150万円、将来介護費約6000万円(日額約1万2500円)、後遺障害慰謝料約3400万円(本人・家族合算)など、治療費を除く損害として約1億4000万円が認定されました。
逸失利益:約2600万円
自宅改造費:約1400万円
車両改造費:約150万円
将来介護費:約6000万円(日額約1万2500円)
後遺障害慰謝料:約3400万円(本人・家族合算)
弁護士からのコメント
1 逸失利益について
逸失利益を算定する上で、家事従事者における基礎収入は、通常、賃金センサスの女性の学歴計・全年齢平均賃金が採用されます。大体、350万円台になります。しかし、一言で家事従事者といっても年齢や家族構成も異なります。今回の裁判で相手保険会社は、60代の主婦は、全年齢平均賃金ではなく、もっと平均賃金が低い60代のものを基礎収入とすべきであると争ってきました。実際の裁判実務では、高齢の家事従事者の場合、かなりの確率で年齢別の低い平均賃金を採用されることがあります。しかし、当事務所では、60代であっても非常に家事負担が重いことを綿密に立証したことで相手の主張は通りませんでした。
2 自宅改造費・車両改造費について
自宅改造費について、事故前の住宅を介護用住宅に改造した場合の見積を専門の業者に依頼し、緻密な見積書を裁判所に提出しました。その結果、約1400万円の自宅改造費が認定されました。また、車両の改造は1回で終わることはなく、被害者の平均余命までの期間、車両の耐用年数に応じて、将来の買い替え分まで認められるべきです。今回の裁判では、4回分の改造費が認定されました。
3 将来介護費について(日額約1万2500円)
裁判では、実際の介護状況をビデオで撮影し証拠として裁判所に提出しました。家族が日々どのように介護を実践しているかを視覚的に裁判所に伝えることは非常に大事なことです。