交通事故の解決事例
異議申立の結果、当初提示より約2.3倍の賠償金を得た事案
事故時診断:高次脳機能障害
後遺障害:7級
会社員(20代、男性)が自動二輪車の後部座席に同乗中、路外に右折をしようとした対向車に追突され受傷しました。
約1年間の入通院を経た後に症状固定となり、高次脳機能障害と診断されました。
自賠責から後遺障害等級9級の認定を受け、その後、保険会社から約2800万円の提示がありました。
この段階で、後遺障害の等級や保険会社の提示金額が妥当かどうかわからないということで、相談を受けました。
面談の際に、ご本人やご家族の方からヒアリングを行った結果、後遺障害等級が相当ではないとの判断にいたりました。
そこで、まずは自賠責保険に対し、異議申立を行うこととしました。
異議申立にあたっては、その準備として、被害者の方が、事故後に通院していた医療機関(複数)のカルテを取付け、これを精査するとともに、職業訓練校や元就業先を訪問し、被害者の方の症状を詳細に聴き取り、陳述書を作成しました。
これら事前の調査の結果を主治医に提出し、医学的な意見書を作成してもらい、同意見書と陳述書、弁護士意見書を添付し異議申立を行いました。
その結果、異議が認められ、7級との判断がなされました。
7級を前提に交渉を開始し、後遺障害の内容や従前の生活状況、就労状況を詳細に立証しつつ交渉を行った結果、最終学歴は高校中退でありましたが後遺障害の逸失利益の基礎収入を男性の全年齢平均賃金、慰謝料額は赤い本基準の満額(計6400万円)で解決にいたりました。
後遺障害慰謝料:620万円(当初提示額)⇒1000万円(解決額)
逸失利益:2020万円(当初提示額)⇒5210万円(解決額)
弁護士からのコメント
1 本件は、異議申立段階から受任をしました。
異議が認められるには、新たな医証等が必要になりますが、医証を作成する前提として、被害者の方の生活状況や就労状況の把握が必要不可欠になります。
高次脳機能障害で9級や7級の方は、ご家族や就業先の方以外の純然たる第三者には、記憶障害等を理解してもらえないことが多く、また、主治医の先生も、問診等の時間が限られていますから実態を把握することが困難であることも多いです。そのため、医証を作成してもらう前提として、主治医の先生に対し、被害者の実態をよく知る関係者からのヒアリング結果をわかりやすく説明し、実態をご理解いただいた上で医証を作成してもらうことが肝要になるからです。
本件では、県外(宮崎)在住の被害者からのご依頼でしたが、前述した理由から直接関係者のヒアリングを実施することが必要でしたので、宮崎市内の就業先等に訪問し、協力を得ることができました。
その結果、主治医の先生から、実態を踏まえた医学的意見書を作成いただき、その結果、異議が認められることとなりました。
このように、立証の努力を行えば、異議が認められることもありますので、等級が相当か不安な方は、一度、ご相談いただきたいと思っております。
2 また、異議の結果を踏まえた賠償交渉においても、粘り強く立証をした結果、逸失利益の基礎収入について、男子全年齢平均賃金が認められ、また、慰謝料も裁判基準の満額が認められました。
後遺障害7級の事案においては、過去の裁判例に照らしても、十分な賠償を得ることができたと自負しております。
ご相談者の声
- 距離が離れていた分、どうしても、これからの展開や進行状況について不安がありました。
- しかしそれはどこの弁護士でも同じであり、依頼した人の意見を尊重して行動してくれるのがうれしかった。
- 高次脳は、自分の思っている以上の障害です。
- そこで納得してしまわず、赤坂門法律事務所に依頼して満足しました。
※個人の特定を防ぐため具体的な金額は1万円単位あるいは10万円単位にさせていただいています。