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交通事故の解決事例

後遺障害等級第14級9号だったが紛争処理機構で併合第10級と認定された事案

事故時診断:右脛骨骨折、右腓骨骨折
後遺障害:10級

大型自動二輪車で走行中に右折車と衝突した事故で、依頼者は右下腿骨を骨折しました。
依頼者自ら自賠責共済に異議申立てをしましたが、認定された後遺障害等級が第14級であったことから相談を受け、受任しました。
ご相談の時点で、依頼者の右下腿には骨折部の固定具がそのままで痛みも残存しており、依頼者の右足関節には、後遺障害等級に該当する程度の可動域制限もありました。したがって、最大で第10級相当の後遺障害に該当するであろうと思われました。
しかしながら、異議申立によっても第14級の認定が覆っていないことから、再度の異議申立手続きではなく、自賠責保険・共済紛争処理機構(以下、「紛争処理機構」といいます。)に対して後遺障害等級認定の申請をする方が有意義であろうと判断しました。
結果として、依頼者の右下腿骨骨折後の右足関節可動域制限について後遺障害等級第10級11号が認定され、当該後遺障害等級に準じた損害賠償を加害者加入任意保険会社に請求しました。
自賠責保険金を除く損害賠償については、会社役員である依頼者についての逸失利益の正当性を主張して、第一回目の回答の約580万円を約1400万円まで増額させることができました。

弁護士からのコメント

後遺障害は、原則、自賠責共済・自賠責保険が認定・支払いを行います。
一方、被害者と保険会社・共済組合との間で紛争が生じた場合に、適確な解決を目指して公正な調停を行うのが紛争処理機構であり、自賠責保険の認定した後遺障害等級への不服申立も、紛争処理機構が対応します。
紛争処理機構においては、公正中立で、専門的な知識をもっている弁護士、医師、学識経験者からなる紛争処理委員が、後遺障害の等級認定や自賠責保険金額等についての審査を行います。調停結果を守ることを、保険会社の自賠責普通保険約款・自賠責共済規定等は定めています。
したがって、自賠責共済・自賠責保険への申請では埒が明かないと判断した場合には、紛争処理機構への申請を行います。紛争処理機構での調停には時間を要し、書面のみによる審査であって、必ずしも認定が下りるとは言い切れません。しかし、今回のように、数度の異議でも認定されなかった後遺障害が認定されることが往々にしてあります。
認定された後遺障害等級にどうしても納得がいかない場合には、選択肢の一つとして考えられる手段といえます。

最終更新日:2019年5月23日

※個人の特定を防ぐため具体的な金額は1万円単位あるいは10万円単位にさせていただいています。